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JA静岡厚生連 機関誌「すてっぷ」特集記事です。 2017.8 NO.477

健康に生きるために痩せる時代
偏ったダイエットに注意!




リハビリテーション中伊豆温泉病院

栄養科長

飯田 みつ江



 人間は、半世紀程前までは生きていくために食べてきました。
 時は過ぎ、日本にいても世界中の食品や料理を食べられるようになり、小柄な日本人も手足が長く筋肉を蓄えた人が増えてきました。中には栄養過多が原因で高血圧・糖尿病・脂質異常につながり生きるために痩せる時代になりました。
 健康診断等で減量を勧められてダイエットを始める人が多いと思います。
 近頃はダイエットを取り上げたテレビ番組が多く放送され、方法も様々です。最近注目されているダイエット方法は本当に効果があるのか、問題点はないのか少し考えてみましょう。
                                 
◆低糖質と低脂質

 『低糖質』『低脂質』ダイエット等が御飯を減らすだけとか、揚げ物を減らすだけで他の食品は比較的気にしなくて良いから楽に出来ると取り組んでいる人が多いようです。
 糖質を多く含む食品は、主食となる御飯、パン、うどん、パスタなどです。小麦粉で作るお好み焼きやサツマイモも多いです。脂質を多く含む食品は、バター、マヨネーズ、フォアグラ、ばら肉、生クリーム、サーロイン、ベーコン、ポテトチップスなどです。ダイエットの際はこれらの食品を制限します。制限される事は、
・低糖質では1日の摂取量を体重s×1gの糖質量以下にする。
・ 低脂質では1日に摂取するカロリーの30%に脂質カロリーを抑える。

 これだけさえ守っていれば良いと思っている人が多いようですが、1週間で結果が出てくると言われている低糖質ダイエットでなかなか結果が出てこない場合は他の食品の量に問題があるようです。
 せっかく健康のためにダイエットするのならいい加減でなく結果のでるようにがんばりたいものです。
 ここで前述のダイエットに加え適正カロリーで栄養をバランス良くするダイエット方法を加えて、その特徴と効果を見てみましょう。
 表T中の栄養バランス割合(%)は各ダイエット法実施者の食事全体量のうち、それぞれの栄養素の割合の栄養素摂取量の全体摂取カロリーに対する割合の平均値を出したもの。 『バランスの良いダイエット』とは、標準体重より算出されたカロリーで「日本人の食事摂取基準」に基づく各栄養素の割合でダイエットする方法です。




 表Uのように低糖質、低脂質共に体重変化は1年後同じ結果となりました。
 ただ、早く結果が出てくるのは低糖質のようです。
 では制限される食品の量を考えてみましょう。


◆糖質、脂質を抑えるには 

 体重60sの人が減量すると考えてみます。

 まず低糖質ダイエットの場合ですが、前述のように、体重s×1gの糖質量以下にしますので、
 60×1g=60gとなり、糖質は60g以下にする必要があります。

 次に低脂質ダイエットの場合です。

 1日に1,500kcalを摂取する場合、その30%の450kcalに脂質を抑える必要があります。

目安の表を参考に
《低糖質の場合》
1日の主食量 
 おにぎり1個と 
 そば1人前の半分 だけ

《低脂質の場合》
1日の脂肪の多い食品使用量 
 マヨネーズ15g 
 サーロイン50g 
 ベーコン20g
 フライドポテト25g
 低糖質、低脂質ダイエットを実行すると、上記の量で我慢をすることになります。



 経済的に考えてみると低糖質の場合、米やそばに比べ、蛋白源の肉や魚の方が高価なため食材費は高くなります。
 低脂質の場合は高価な肉などは減るので食材費は安くなりますが、脂質に代わるエネルギー源となると甘いお菓子など糖質が増え減量しないことが多いので注意してください。
 近頃のコンビニでは低糖質≠ニ書かれたパンやクッキー、パスタなどたくさん並んでいます。もちろん血糖が高い人には上手に利用すると効果のあるものです。
 低糖質にこだわり過ぎてバランスを崩し、脂質異常や腎機能障害になってしまった人もいます。偏って食べる事は危険がともないますのでくれぐれもご注意ください。
 では、バランスの良い献立とはどんなものか、一緒に見ていきましょう。

◆バランスの良い献立
 
 まずは、低糖質でバランスが良い献立を紹介します。
 
 朝
 ・トースト12枚きり
 ・コーヒー
 ・炒り卵(1個分)
 ・リンゴ1/4
 ・野菜スープ(玉葱、キャベツ、トマト)


 昼
・あんかけ焼きそば
 (麺1/3、もやし、なると、ハム、油、片栗粉)
・味噌汁
 (豆腐30gなめこ ワカメ ネギ)
・低脂肪牛乳100t
 
 ・御飯50g 
 ・炒め物
  (牛肉60g玉葱 ピーマン 人参)
 ・お浸し
  (小松菜 だし カツオ節)

次に低脂質の献立を紹介します。
 朝 ・御飯160g
   ・はんぺん焼き1/2枚 辛子和え(ほうれん草60gだし醤油 辛子)
   ・和え物( グリーンアスパラ40g 味噌 酢 砂糖)

 昼 ・味噌煮込みうどん
    (うどん1玉 ささみブツ20g 白菜 人参 里芋 シメジ ネギ だし 味噌 みりん)
   ・さつま揚げ網焼き(さつま揚げ1枚 大根おろし)
   ・ヨーグルト和え(ヨーグルト40gバナナ)

 夕 ・御飯160g
   ・麻婆豆腐
    (豆腐90g鶏胸挽肉30g椎茸 ショウガ コンソメ 味噌みりん 片栗粉)
   ・リンゴ酢づけ(セロリ 胡瓜 塩 リンゴ酢)
   ・ホイル焼( しめじ えのき 酒 レモン)
   ・ワカメスープ (ワカメ ネギ だし 塩 醤油)

 そして食べる物だけでなく必ず運動も取り入れて筋肉をつけ、痩せやすい体作りを心がけてください。
 簡単な気持ちで飛びつくのではなく正しい方法で実施してください。
 現在の体重の5%減量できれば血圧 血糖などかなり改善が期待出来ると言われています。
 始める前に自分で目標 方法を決めて健康な体を作りましょう。



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