はじめに
胃の病気は精密検査受診率の飛躍的な増加に伴い、胃がんの早期発見率が増えて、死亡率が低下しています。一方、大腸は精密検査の受診率が低く、早期発見が遅れ、年々大腸がんの死亡率が増加しています。
大腸がんは女性の部位別死亡率で第1位、男性では3位であり現在も増加中です。2020年には男女とも部位別死亡率のトップになると予想されています。大腸がんは早期に発見すれば治る(治癒出来る)病気で、早期発見のためには、検診や人間ドックで便潜血検査の結果が陽性と
なったとき、〈大腸内視鏡検査〉や〈注腸X線検査〉などの精密検査を受けることが大切です。しかし、これらの検査では「検査時間が長い」、「前処置が大変」、「はずかしい」、「痛い」などの理由で精密検査を敬遠する方がいらっしゃいます。そこで当院では受診率を上げるために『大腸CT検査』を始めました。
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大腸CT検査とは |
大腸CT検査は大腸内を炭酸ガスによって拡張させ、最新マルチスライスCT装置を用いて撮影することで、少ない被ばくで大腸の3次元画像を簡単に得ることが出来ます。また炭酸ガスを使用しますので検査後の腹部膨満感(お腹のふくれ)が速やかに消失します。〈大腸内視鏡検査〉や〈注腸X線検査〉に比べて、苦痛が少なく安全で精度の高い検査です。
この検査は内視鏡検査で大腸の中を観察しているのと同じように調べることが出来て、大腸の中だけではなく、大腸周辺の情報も得られる利点もあります。大腸CT検査で異常が見つかった際には組織を採取できないため〈大腸内視鏡検査〉を受けていただくようになりますが、約7割の方は大腸CT検査だけで充分と報告されています。 |

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大腸CT検査の流れ |

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大腸CT検査と大腸内視鏡検査の比較 |

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当院における大腸CT検査により発見された症例 |

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あなたは大丈夫ですか? |
次の8項目の内、1項目でも当てはまる方は、大腸CT検査、大腸内視鏡検査をおススメします。
□ 検診で便潜血検査の結果が陽性であったことがある。
□ 便に血が混じることがある。
□ 排便したのにまだ出きっていない感覚がある。
□最近便が細くなった。
□おなかが張る。
□便秘と下痢が交互に起きる。
□ 以前大腸がんやポリープで治療をしたことがある。
□血縁に大腸がんになった人がいる。
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おわりに |
大腸がんは早期で発見すれば、ほぼ100%近く完治する病気です。大腸がんの早期発見のためには定期的な検査が非常に重要です。 |

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